清瀬保二 「弦楽トリオ」 |
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清瀬保二(明治33年〜昭和56年) |
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「……戦後この荒廃の冬の夜寒さにかじかみ空腹を感じながら、ラジオから流れる「尋ね人」のアナウンスの声は腹に沁みわたります。確かに東京を初め、全国の都市はおゝよそ破壊されました。まるで日本の近代文化そのものが破壊され盡されたかのような印象すら与へます。然し、われわれの良い伝統は破壊されてもいず、今日われわれの心に脈々と残り続いております。われわれはこれを踏み台とし、勇気をもつて再建に努力したいと思います……」(当時のNHK放送での作曲者による解説から) この弦楽トリオは1949年に作曲され、新作曲派「第五回」の発表会で初演されました。当時の作曲者の心情が見事に書き留められた名曲です。正直な想いが全編に語られた清廉で率直な、こころに残る一曲です。 |
試聴用音源
第1楽章 Allegro 第1楽章から 1st mov.-
第2楽章 Andnte lamentoso 第2楽章から 2nd mov.-
第3楽章 Vivace 第3楽章から 3rd mov.-
日本弦楽三重奏曲の世界Ⅱ 〜 清瀬保二・入野義朗・呉 泰次郎 〜
Yasuji KIYOSE / Yoshiro IRINO / Taijiro GOH : STRING TRIO
菖蒲弦楽三重奏団 (SHOBU STRING TRIO)
浜野考史 Takashi HAMANO, violin
伴野 剛 Go TOMONO, viola
江口心一 Shinichi EGUCHI, violoncello