セノオ楽譜
「鍛はるゝ若人の歌」
作詞 畑耕一
作曲 山田耕筰

(一)
鐘は鳴る。—聞け。
まがつみの鐘は鳴る。
黄金(こがね)なす驕慢(おごり)の甍(いらか)くだきて、
おお、新らしき力の日ぞ来たれ。
矛(ほこ)とれ、わが友、巷に出でよ。
われ等若く謳(うた)はれてあり、
戦へ、いざ、永遠(とは)の勝利を。
  
(二)
鐘は鳴る。—聞け。
いましめの鐘は鳴る。
暴風(あらし)なす試練(ためし)の焔(ほのほ)けたてて、
おお、新らしき生命(いのち)の日ぞ来たれ。
槌(つち)とれ、わが友、巷に出でよ。
われ等若く撰(えら)ばれてあり。
築け、いざ、永遠の文化を。

(三)
鐘は鳴る。—聞け。
よろこびの鐘は鳴る。
真珠(またま)なす光の冠(かむり)ささげて、
おお、新らしき希望(のぞみ)の日ぞ来たれ。
笛とれ、わが友、巷に出でよ。
われ等若く恵まれてあり。
歌へ、いざ、永遠の栄誉を。