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〜イギリスピアノ音楽シリーズT〜
レノックス・バークリー
4つの演奏会用練習曲 作品14/1 (1940)
 

1940年に完成された作品14は、この"4つの演奏会用練習曲"作品14/1の他に1937年から1940年の間に書かれたオーデンの詩による歌曲を含む"7つの歌曲"、作品14/2、そして"5つのハウスマンの歌曲"、作品14/3によって構成されています。バークリーは1940年の1月5日付けのブリテンへの手紙で次のように述べています。「セレナーデを完成させたあとピアノの為の練習曲に取りかかっているんだが自分では一小節も弾けないね。何しろ非常にヴィルティオジティーを要する楽曲なんだ。」バークリーは自身の作品を演奏会で弾くことは稀でしたし、彼自身のピアノ演奏のスタイルはいわゆる超絶技巧に支えられたものではないようでしたが、この作品、或いはピアノソナタに代表される非常に秀でたピアノ書法が駆使された楽曲が生み出されたことに驚かされます。この"4つの演奏会用練習曲"と"ピアノソナタ"はバークリーのピアノ曲の中でも特に重要な位置を占めています。作品14/1、全4曲はバークリーのパリ時代の友人たちに献呈されています。第一曲目はデビッド・ポンソンビー、二曲目はベップ・グエア、三曲目がマーク・シャンテリアに、そして最終曲は作曲家の従兄弟のクロード・バークリーにそれぞれ捧げられています。作品の初演はコリン・ホースリーによって成されました。また英国のピアニスト、クリフォード・カーゾンによる運指や色鉛筆での覚書が練習曲の2番と3番に記されており、その楽譜は英国国立図書館に保存されていますが、1番と4番には何も記されていない為、カーゾンが全4曲をおそらく弾いてはいない様子が窺えます。作品14の他に1940に完成された作品は弦楽四重奏の第2番、作品15、そして交響曲第一番、作品16があります。

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